高市首相の解散総選挙観測で「高市トレード」加速、日経平均は初の5万4000円台へ

高市早苗首相が2月にも衆議院の解散総選挙に踏み切るとの観測が強まり、水曜日の東京株式市場では日経平均株価が史上最高値を更新する展開となった。市場では、高い支持率を背景にした早期解散への期待感から、いわゆる「高市トレード」が活発化している。

この動きは、大規模な財政出動への期待と、輸出関連株に有利な円安進行によって支えられている。日経平均株価は前日比1.48%高となり、史上初めて5万4000円の大台を突破、5万4341円23銭という過去最高値で取引を終えた。TOPIX(東証株価指数)も同様に上昇基調を維持し、1.26%高の3644.16ポイントと新高値を記録している。

円相場、1ドル=160円目前で介入警戒感高まる

株式市場の活況の一方で、外国為替市場では円売りが加速している。円相場は一時、心理的節目となる1ドル=159円台半ばまで下落し、2024年7月以来、約1年半ぶりの安値を付けた。当時、日本当局は急激な円安を食い止めるために為替介入を実施している。

高市首相が選挙戦を見据えて積極的な財政支出を打ち出すとの見方が強まる中、トレーダーの間では円を売り、ドルを買う動きが優勢だ。円は対ドルだけでなく、対ユーロや対メキシコペソなど、主要通貨全般に対して数ヶ月にわたり軟調な推移を続けている。

市場関係者の関心は、通貨当局による介入の有無に集まっている。片山さつき財務相はこの日、「投機的な動きを含め、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視している。過度な変動に対してはあらゆる手段を排除せず適切に対応する」と述べ、市場を牽制した。

CIBCキャピタル・マーケッツの為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏は、当局の判断基準について「絶対的な水準よりも、変動のスピードが重要だ」と指摘する。「ドル円相場に注目が集まりがちだが、ユーロ円なども記録的な水準にある。当局がどこまで静観し、どのタイミングで動くかが焦点だ」と分析した。円は直近2ヶ月だけで対ドルで約3%下落しているが、2024年の介入局面では同期間に6%近い急落を見せていたことから、まだ静観の余地があるとの見方も一部には残る。

海外投資家の視線とアジア市場の動向

バンク・オブ・アメリカは火曜日のレポートで、「衆院選前後には海外投資家が日本株を買い越す傾向があり、特に大型株や高ROE(自己資本利益率)銘柄、市場感応度の高いハイベータ銘柄のパフォーマンスが良くなる」と指摘している。

日本株の独歩高となる一方で、他のアジア市場はまちまちの展開となった。韓国のKOSPI指数は0.65%高の4723.10ポイントで終了したが、小型株中心のコスダックは下落した。香港ハンセン指数はハイテク株やディフェンシブ銘柄が牽引し上昇したものの、中国本土市場のCSI300指数は利益確定売りに押され0.4%安で引けた。オーストラリアのASX200指数は0.14%高の8820.60ポイントと小幅に続伸した。

また、コモディティ市場では銀相場が急騰しており、スポット価格が初めて90ドルの大台を突破、3.7%の上昇を見せた。銀は2025年を通じて最も上昇率の高い資産の一つとなっている。

米国の政治的圧力とドルの行方

為替市場の背景には、米国の政治情勢も影を落としている。12月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想と概ね一致したことを受け、FRB(連邦準備制度理事会)が今月後半の会合で政策金利を据え置くとの見方が固まり、ドルを下支えしている。

特筆すべきは、ホワイトハウスからの前例のない利下げ圧力だ。トランプ大統領がパウエルFRB議長の訴追を示唆するなど緊張が高まったことで、週初にはドルが急落する場面も見られた。しかし、世界の中央銀行総裁やウォール街のトップらが相次いでパウエル議長への支持を表明。「FRBの独立性は不可侵である」との声が広がり、市場の動揺は一時的に落ち着きを取り戻している。

INGのアナリストは「米国債市場は、政治的なノイズに対して驚くほど冷静さを保っている」とレポートで述べている。

なお、中国の12月の貿易黒字が過去最高となる約1.2兆ドルに達したとの発表を受け、オフショア人民元は対ドルで横ばいの6.9752元近辺で推移した。ユーロは1.1646ドル付近で揉み合い、ポンドは小幅高の1.3447ドルとなっている。

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