米国株、上昇から一転して下落 関税を巡る売り圧力続く

火曜日の米国株式市場は、序盤の大幅な上昇から一転し、終盤には大幅に下落して取引を終えた。S&P500種株価指数とナスダック総合指数は、取引序盤にはそれぞれ4%以上の上昇を見せていたが、午後には売りが優勢となり、相場は大きく反落した。

ダウ工業株30種平均は前日比320ポイント(0.8%)安で引けた。ナスダック総合指数は2.1%下落し、S&P500も1.5%下落した。S&P500は過去の高値からの下落率が20%に迫り、「弱気相場(ベアマーケット)」入り目前となっている。

この日の下落は、先週のトランプ前大統領による新たな関税発表を受けた一連の売り圧力の延長線上にある。それ以来、S&P500とナスダックはともに12%以上の下落を記録している。

月曜日には一時的に持ち直したものの、市場の不安感は根強く、火曜日には再び全面的な売りに転じた。

市場が開く直前、トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」にて、韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行との貿易協定に関する「素晴らしい電話会談」があったと述べた。

「両国にとって素晴らしい合意の可能性がある。米国とは取引を望む国が他にも多くあり、我々はそれらの国とも話を進めている」とトランプ氏は投稿した。

しかし、世界最大の経済大国である米中間の緊張は続いており、火曜日にも両国の対立が再燃した。ホワイトハウスの報道官キャロライン・レヴィット氏は、トランプ氏が中国製品に対する追加関税50%の実施を水曜日早朝から開始する意向を示しており、これにより対中関税率は合計で104%に達する見通しであると発表した。

これに対し、中国外務省の林剣報道官は、同日の記者会見で「今回の関税の脅しは、建設的な対話を望む姿勢を示していない」と批判した。

アジア市場は火曜日、月曜日の大幅下落から一部回復の動きを見せた。日本の株式市場では、日経平均株価が6%超の上昇で取引を終え、前日の約8%の下落の一部を取り戻した。

韓国のKOSPI指数は0.3%上昇し、オーストラリアのS&P/ASX200は2.2%上昇。インドのNIFTY50も約2%の上昇を記録した。

一方、前日に1997年以来最悪となる13%の下落を記録した香港のハンセン指数は、1%の反発を見せた。中国本土の上海総合指数も1.4%上昇した。

週初から波乱の展開となっている欧州市場も、火曜日には上向きの動きを示した。イギリスのFTSE100は取引開始後に1.3%上昇、ドイツのDAXは0.9%、フランスのCAC40は1.3%の上昇となった。

関税を巡る不透明感が市場の方向感を失わせる中、投資家は各国の政策動向や外交関係を注視しており、今後の市場の動きには引き続き警戒が必要とされる。

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