近年、日本では結婚しない女性、いわゆる「ソロ女」が増えている傾向が見られます。結婚できないのではなく、自ら結婚しないという選択をする女性たちの存在が、社会的に注目されるようになっています。
「ソロ男プロジェクト」では、このような女性たちを「ソロ女」と定義し、彼女たちの行動や価値観について調査を行いました。その結果、既婚女性とは異なる特徴を持つことが明らかになりました。
ソロ女の特徴とは?
まず、未婚女性すべてがソロ女というわけではありません。将来的に結婚を考えている女性も含まれるため、未婚=ソロ女と一括りにすることはできません。重要なのは、「結婚する女性」と「結婚しない女性」では、そもそもの価値観や生き方が大きく異なる点です。
2016年に「ソロ男プロジェクト」が実施した調査によると、東京・神奈川・埼玉・千葉に住む20〜50代の未婚女性1万1750人のうち、約43%がソロ女に該当しました。また、厚生労働省の調査によると、20〜40代の独身女性のうち「まだ結婚するつもりはない」または「一生結婚するつもりはない」と回答した割合は約40%であり、ソロ女の割合とほぼ一致する結果となっています。
年代別に見ると、20代では28%、30代では35%、40代では52%、50代では58%と、40代以降でソロ女の割合が急増しています。この背景には、女性の結婚の動機と出産が深く関わっていることが考えられます。出産を希望する女性にとって、40代は「結婚するかしないか」の分岐点になりやすく、「子どもを持たない」という選択をした時点で結婚を考えなくなるケースも多いのです。
もちろん、40代を超えても出産は可能であり、40代で初婚・出産を迎えるカップルも増えています。厚生労働省のデータによると、2015年には40代以上で第一子を出産した女性が約2万1000人と、1990年と比べて7倍に増加しました。ただし、それでも40代以上での第一子出産率は全体の4.4%に過ぎません。
ソロ女の生活意識と行動パターン
調査の結果、ソロ女の多くが「1人でいることを好む」という特徴が明らかになりました。「誰かと一緒の生活と1人の生活、どちらが充実していると感じるか?」という質問に対し、既婚者では「1人の時間のほうが充実する」と答えた割合は約10%でしたが、ソロ男・ソロ女では圧倒的に「1人が好き」という回答が多く、特にソロ女の割合が高いことがわかりました。実際に、ソロ女の約7割が「1人が好き」と回答しており、一般的に「孤独を好む」のは男性というイメージがある中で、ソロ女はそれを上回る結果となりました。
また、経済的な観点からも結婚を見つめ直す傾向がありました。結婚のメリットを重視しすぎるあまり、かえって結婚を遠ざける結果になっているケースも見受けられます。既婚女性と比較すると、ソロ女の価値観は大きく異なり、むしろ「ソロ男」のほうが結婚において「愛」を重要視する傾向が見られました。
理屈で動く女性が増加
さらに、「感情で動くか、理屈で動くか」という質問では、一般的に女性は「感情派」、男性は「理屈派」とされることが多いですが、ソロ女に関してはこの傾向が逆転しました。既婚女性では46%が感情派でしたが、ソロ女では34%が理屈派と回答し、既婚男性をも上回る結果となりました。
このような傾向は、ソロ女の多くが男性社会の中で働き、合理的な判断を求められる環境に適応してきたことが影響していると考えられます。自分の生活やキャリアを自分で決定し、自立して生きる意識が強いため、自然と「頼れるのは自分だけ」という考えに至るのかもしれません。
まとめ
ソロ女の増加は、単なる結婚の有無ではなく、現代女性の生き方や価値観の変化を映し出していると言えるでしょう。結婚が人生のゴールではなくなりつつある現在、自立した生き方を選択する女性たちが増えているのは自然な流れともいえます。
結婚を望む・望まないに関わらず、それぞれの選択が尊重される社会を築くことが求められています。