今年上半期(1月〜6月期)、韓国内の銀行は14兆9000億ウォン(約1兆4900億円)の当期純利益を記録しました。これは前年同期比で2兆3000億ウォン(18.4%)増加した数値であり、このペースが下半期も続けば、過去最高だった昨年の年間純利益(22兆4000億ウォン)を更新する可能性が高いと見られています。
為替・金利の変動が追い風、非金利収益が53%急増
今回の収益増加の主な要因は、非金利収益の大幅な伸びにあります。上半期の非金利収益は5兆2000億ウォンに達し、前年同期の3兆4000億ウォンから1兆8000億ウォン(53.1%)も急増しました。これは、為替レートと市場金利が下落したことで、外国為替・デリバティブ関連の利益や有価証券関連の利益が増加したためです。
また、前年同期に発生した香港株価連動証券(ELS)関連の賠償金支払いがなくなったことも、収益を押し上げる要因となりました。昨年の上半期には、主要銀行がELSの賠償費用として1兆4000億ウォンの一時的な損失を計上していましたが、今年はその反動で営業外損益が1兆5000億ウォンの黒字に転換しました。
収益性の改善と課題
銀行の収益性を示す主要な指標も改善が見られました。総資産利益率(ROA)は0.75%と前年同期比で0.08パーセントポイント上昇し、自己資本利益率(ROE)も10.18%と1.08パーセントポイント上昇しました。
一方で、本業である金利収益は29兆7000億ウォンとなり、過去最高だった前年同期(29兆8000億ウォン)からわずかに減少しました。これは、利子収益資産が4.7%増加したものの、収益性を示す純金利マージン(NIM)が0.09パーセントポイント低下したことが影響しています。
コスト増加と今後の見通し
費用面では、人件費や物件費の上昇により、販売費および一般管理費が前年同期比で8000億ウォン増の13兆7000億ウォンとなりました。また、景気減速によるローン延滞率の上昇などを背景に、貸倒引当金は6000億ウォン増の3兆2000億ウォンに達しました。
金融監督院は、「今後も景気減速が続く中で、中小企業や個人事業主といった脆弱な部門を中心に貸倒費用が拡大する可能性がある」と指摘しており、各銀行に対して十分な損失吸収能力を確保するよう指導していく方針です。