自動車メーカーのダイハツ工業が国の認証を不正に取得した問題で、国土交通省は特に悪質な不正が確認された3つの車種に対し、「型式指定」を取り消すと発表しました。
先月、全28車種で不正が明らかになり、国土交通省は適合が確認されるまでの出荷停止を指示し、ダイハツは全自動車工場の稼働停止を決定しました。
国土交通省の検査結果によれば、特に「グランマックス」、「タウンエース」、「ボンゴ」といった3車種で悪質な不正行為が確認され、これらの車の「型式指定」を取り消す方針です。これにより、大量生産ができなくなり、再指定の審査も厳しくなります。
具体的には、これらの車で行われていた衝突試験でのエアバッグの作動確認が、必要なセンサーによるものではなく、タイマーでの作動であったことが判明しました。
今回の問題に関連し、国土交通省は抜本的な改革を求め、是正命令を出しました。16日には、国土交通省を訪れたダイハツ工業の奥平総一郎社長に対し、斉藤国土交通大臣が「経営の問題だと受け止め、信頼を取り戻すために再発防止に真剣に取り組んでください」とのメッセージを伝え、是正命令書を手渡しました。
奥平総一郎社長は、不正の原因を「経営の問題」と位置づけ、「身の丈をこえる仕事を詰め込みすぎたことや硬直的なスケジュールを変えられなかったこと、また、そうせざるをえなかった現場の環境などを含めて経営がつくってきたものだ」と述べました。
国土交通省は、今後1か月以内に再発防止策を報告するようダイハツに求めました。