阪神タイガースのファーム本拠地、鳴尾浜。ここで今、将来のスター候補として熱い視線を浴びているのが、ドラフト3位ルーキーの山田脩也だ。仙台育英高校時代、2年夏には東北勢初となる甲子園優勝に貢献し、3年夏には主将としてチームを準優勝へ導いた実績を持つ。「甲子園の申し子」と呼ばれ、世代ナンバーワン遊撃手の呼び声も高かった18歳は、プロの世界でもその非凡な才能を見せつけようと日々奮闘している。
ルーキーイヤーながら、山田の日々は野球漬けだ。朝6時に起床し、練習、試合、その後の打撃練習やウエートトレーニングに至るまで、息つく暇もないスケジュールをこなす。「徐々に慣れてきました」と語る口調には、プロ入りから約半年を経て得た充実感が滲むが、同時に高卒1年目の選手が必ずと言っていいほど直面する「プロの壁」にもぶつかっている。
順調な滑り出しと直面した課題
3月のウエスタン・リーグ開幕戦、対広島戦で「9番・遊撃」として先発出場した山田は、初打席でいきなり初安打をマーク。その後も3試合で打率4割2分9厘という驚異的なスタートダッシュを決めた。しかし、プロの長いシーズンは甘くない。4月には月間打率が2割8分、5月には1割台へと急降下した。6月までの62試合で打率2割2分4厘、2盗塁という数字は、疲労によるコンディション低下が如実に表れた結果と言えるだろう。
「体の疲れでフォームが崩れたり、守備で足が動かなくなったりする」と本人も課題を冷静に分析しており、コンディショニングの重要性を痛感しているようだ。それでも、7月に姫路で開催されるフレッシュオールスターに選出されるなど、周囲の期待は依然として高い。走攻守三拍子そろったポテンシャルが開花し、1軍の舞台で躍動する日はそう遠くないはずだ。
大リーグで成立した注目トレード
国内で若虎が牙を研ぐ一方、海の向こうメジャーリーグでは、名門ニューヨーク・ヤンキースが先発ローテーションの強化に向けて大きな一手を打った。マイアミ・マーリンズとの交換トレードで、ライアン・ウェザース投手の獲得に踏み切ったのだ。マーリンズ側には、ディロン・ルイスら4人の有望な若手野手が譲渡される。
ウェザースは、かつてメジャーで長く活躍したデビッド・ウェザースを父に持つ26歳の左腕だ。奇しくも父デビッドも1996年にフロリダ・マーリンズからヤンキースへトレードされており、親子二代で同様の道を歩むことになる。2018年のドラフト全体7位でパドレスに入団したライアンは、平均96〜97マイル(約155キロ前後)の直球に加え、チェンジアップとスイーパーを武器に空振りを奪える能力を持つ。
ヤンキースの台所事情と獲得の狙い
今回のトレードの背景には、ヤンキースの深刻な投手事情がある。エースのゲリット・コールとカルロス・ロドンが開幕を故障者リストで迎えることが確定しており、クラーク・シュミットも昨夏の手術の影響で今季絶望の可能性があるからだ。本来であれば第3、第4先発のポテンシャルを持つウェザースにかかる期待は大きい。
ただし、懸念材料がないわけではない。ウェザース自身も近年は故障に苦しんでおり、2024年には利き手の人差し指、昨年は前腕と広背筋の張りで長期間離脱している。過去2年間で24先発、125イニングにとどまっているのが実情だ。それでも、スプリングトレーニングを無事に通過すれば、ウィル・ウォーレンやルイス・ヒルと共にローテーションの一角を担うことになるだろう。
再建へ舵を切るマーリンズ
一方、ウェザースを放出したマーリンズの動きも興味深い。彼らはつい先週、エドワード・カブレラをカブスへ放出したばかりであり、2週間で2人のコントロール可能な先発投手を放出する大胆な再建策に出ている。才能はあるものの故障リスクの高い投手よりも、野手の層を厚くすることを優先した形だ。これにより、マーリンズはFA市場で手頃な先発投手の獲得を急ぐ必要が出てきたが、両チームの思惑が交錯するこのトレードが、今シーズンのペナントレースにどのような影響を与えるか注目される。