<ナショナルリーグ地区シリーズ:ドジャース 2-10 パドレス>◇第2戦◇6日(日本時間7日)◇ドジャースタジアム
ロサンゼルス・ドジャースのホームで行われた地区シリーズ第2戦。ドジャースのファンからの妨害にも関わらず、サンディエゴ・パドレスは冷静さを保ち、試合を圧倒的な勝利で終えた。その勝利の背後には、チームのリーダーであるマニー・マチャド内野手(32)の存在があった。
試合は4-1とパドレスがリードして迎えた7回の守備中、突然、ドジャースファンの一部が試合を妨害する行動に出た。左翼手のジュリクソン・プロファーに向けて観客席からボールが投げ込まれ、これにより試合は一時中断された。パドレスのボブ・シルト監督と選手たちはこの不測の事態に対し、審判に抗議し、安全を確保するための措置を求めたが、その直後にさらなる妨害行為が発生。今度は缶がグラウンドに投げ込まれ、事態は一層混乱を極めた。
こうした状況下で、パドレスの選手たちは一時的に動揺したものの、先発投手ダルビッシュ有(38)は冷静さを失わず、7回を無失点で抑える力投を見せた。この彼のパフォーマンスが、試合の流れを変える重要な一歩となった。
試合の行方が再び落ち着きを取り戻した一塁側ベンチで、マチャドはチームメイトを集め、冷静に彼らを鼓舞した。後に明らかにされたところによると、彼はチームに向けて「集中し続けろ」と繰り返し強調し、こうした挑発に乗ることなく、ひたすら自分たちのゲームに集中することが大切だと説いた。マチャドは「我々が自分たちのペースを崩せば、相手の思うつぼだ。それを防ぐ唯一の方法は、冷静さを保ち、集中し続けることだ」と、勝利への執念を見せた。
この言葉を聞いたチームメイトたちは、再び気持ちを引き締めた。そして、その後のパドレス打線はマチャドの言葉通りに奮い立ち、8回と9回でドジャースの投手陣を打ち崩す圧巻のパフォーマンスを披露した。両イニングで2本ずつ、計4本のホームランを放ち、ドジャースの守備を打ち砕いた。最終的には試合全体を通じて6本ものホームランが飛び交い、パドレスはドジャースに対し圧倒的な勝利を収めた。
この試合の勝利により、パドレスはシリーズの流れを大きく引き寄せた。特にマチャドのリーダーシップと彼の冷静な判断力が、チームにとって非常に大きな力となったことは明らかだ。試合後、チームメイトのフェルナンド・タティス・ジュニアもインタビューでマチャドの功績を称賛し、「彼の言葉がチームをひとつにした。我々は挑発に乗らず、自分たちの力を信じ続けた」と語った。
この勝利は、パドレスにとって単なる1勝以上の意味を持つものであり、彼らの団結力と精神的な強さを示す象徴的なものとなった。試合を通じて、彼らがどれだけ精神的に強いチームであるかが証明されたのだ。
一方で、ドジャースは本拠地での痛い敗北となった。ファンによる妨害行為があったものの、パフォーマンスで相手を圧倒することができなかったことは、彼らにとって大きな課題となるだろう。特にホームランを連発され、守備陣が崩れた点については、次の試合に向けて修正が必要だと感じられる。試合後、ドジャースの選手たちはこの敗北を重く受け止めており、次戦に向けての意気込みを語っていた。
この地区シリーズはまだ続いているが、パドレスがこの勢いを維持できるか、そしてドジャースがどのように立ち直るのかが注目される。試合は熱戦を繰り広げ、ファンも息を飲む展開となることが予想される。