大相撲初場所の2日目で、東前頭筆頭の若元春が横綱照ノ富士に対し、力強い相撲を見せて初めての金星を獲得しました。昨年は6場所で三役を務めましたが、先場所は負け越しとなり、今場所は7場所ぶりに平幕に下がりました。しかし、若元春は照ノ富士との対戦で見事な勝利を収め、その存在感を示しました。
取組では、照ノ富士との接触から主導権を握り、終始相手を制して寄り切りの形で勝利しました。左を下から当てながら、立ち合いでぶつかり、回転の速い突っ張りで相手の出足を制しました。照ノ富士の得意とする右四つにも左脇でしっかりと対抗し、緻密な相撲で横綱を圧倒しました。結果として、4度目の対戦で初めての白星を挙げました。
取組後の若元春は、「ガムシャラで、無我夢中だった」とコメント。疲れは感じるものの、自身の相撲を取り切れたことで充実感を覚えている様子で、「焦らず、じっくり攻めようと思っていたけど、内心は焦っていた」と心情を打ち明けました。初金星については「実感はない」と控えめながらも、難敵に対して喜びを表現しました。
若元春は昨年10月に30歳となりながら、相変わらずの成長を見せています。先場所では8場所ぶりの負け越しで平幕に転落しましたが、「逆に役力士から落ちて『また一からやり直す』と、思い切って取れている」と挑戦者の意識を強調。昨年から大関候補として注目を集め、弟の若隆景が先に出世している中で、若元春がしっかりとした結果を残す形となりました。